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ホスファチジルセリン

ホスファチジルセリン

リン酸にセリンが結合した構造のグリセロリン脂質です。脳や神経組織に多く含まれ、ヒトでは脳の全リン脂質の約18%を占めています。
ホスファチジルセリンは、シグナル伝達、分泌小胞の放出、細胞間コミュニケーション、細胞増殖の制御などに関与していると考えられています。さらに、脳内で神経伝達物質であるアセチルコリンを増加させる効果もあるとされています。
ヒトの母乳には、0.5~4.5mg/100mLのホスファチジルセリンが含まれており、赤ちゃんの神経機能および認知機能の発達における重要性が示されています。例えば、赤ちゃんマウスにホスファチジルセリンを与えると、迷路試験で間違いが少なくなったという報告があります。

母乳事典