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人体に必要なミネラルの一種で、大人の体内には3~4gの鉄が存在します。そのうち70%は赤血球のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンに存在し、残りの30%は、肝臓、脾臓、骨髄、筋肉などに貯蔵鉄として蓄えられています。
血液中のヘモグロビンは肺で酸素と結びつき、全身に酸素を運び、体内の組織にたまった二酸化炭素を回収して再び肺まで運ぶ働きをしています。
鉄が不足するとヘモグロビンを合成できず赤血球自体が小さくなり、数も減ってしまうので体内の組織に酸素を十分に行き渡らせることができなくなります。この状態を鉄欠乏性貧血といい、集中力が低下したり、動悸・息切れ・疲労感・頭痛・食欲不振などが起きやすくなります。また、筋肉中のミオグロビンが減ることで、筋力低下や疲労感といった症状も起こります。
成長の著しい乳幼児と鉄要求量の増加する妊婦・授乳婦はとくに鉄が不足しやすいので、日ごろから注意しましょう。

母乳事典