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オリゴ糖

単糖が3~10個結合した糖質で、少糖類とも呼ばれます。

ヒトの母乳には200種類以上のオリゴ糖が存在し、乳糖、脂肪に続き3番目に量の多い固形成分です。牛乳など他の動物の乳比べてオリゴ糖の種類も量も多いことがヒトの母乳の特徴となっています。
母乳オリゴ糖の働きとして、赤ちゃんの消化管でビフィズス菌優位の腸内細菌叢を形成することがあります。母乳オリゴ糖は小腸で消化吸収されずに大腸に達し、そこでビフィズス菌の増殖を促します。一方他の細菌は母乳オリゴ糖をうまく利用できないことに加えて、ビフィズス菌が増えると腸内環境が酸性となるため生存が難しくなるのです。
また母乳の赤ちゃんのうんちはミルクの赤ちゃんよりも固形分が少ない粘液質な状態が多く、うんちの回数も多いことが私たちの研究で分かっています。これは母乳のオリゴ糖が水溶性食物繊維のように作用し、その結果、大腸でのうんちの滞留時間が短くなるためと考えられます。うんちの滞留時間が短くなることには、悪玉菌の増殖や毒性物質の生成を抑える効果もあると考えられます。
さらに、シアリルラクトースなど消化管での感染を防ぐ働きをもつ成分もありますし、最近では母乳オリゴ糖が赤ちゃんの脳機能や免疫機能の発達にも関係していることが徐々にわかってきています。

母乳事典