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脂肪酸

脂質を構成している重要な要素が脂肪酸です。脂肪酸は炭素と水素が結合し1本の鎖状になったもの(炭化水素鎖)の末端にカルボキシル基(-COOH)が結合しています。
二重結合がないものを飽和脂肪酸、二重結合が1つのものを一価不飽和脂肪酸、二重結合が2つ以上のものを多価不飽和脂肪酸と言います。
多価不飽和脂肪酸のうち、体内で作れないリノール酸、α-リノレン酸を必須脂肪酸といい、食物から摂取しなくてはなりません。DHAは体内でα-リノレン酸から作ることができますが、あまりたくさんは作られないので食事から摂取するのがよいとされています。

母乳にはオレイン酸、リノール酸、DHAなど不飽和脂肪酸が多いのに対し、牛乳ではパルミチン酸やステアリン酸などの長鎖飽和脂肪酸が多い点で異なっています。長鎖飽和脂肪酸はカルシウムやマグネシウムと結合してその吸収を抑制するので、育児用ミルクでは不飽和脂肪酸の多い植物油を使って脂肪酸組成を母乳に近づけています。

母乳事典