アミノ酸
アミノ基とカルボキシ基から構成されている有機化合物の総称で、自然界には約500種類のアミノ酸が見つかっています。このうち20種類のアミノ酸が、私たちの身体をつくり、生命活動に欠かせないたんぱく質を構成しています。
たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、体内で必要量を合成できず食事から摂取しなくてはならないものを必須アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンの9種類)、体内で合成できるものを非必須アミノ酸(グリシン、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、アスパラギン酸、アスパラギン、チロシン、システイン、アルギニン、プロリンの11種類)と呼びます。なお、アルギニンは赤ちゃんでは合成量が少なく母乳やミルクからの補給が必要なことから、準必須アミノ酸とされています。
食物として摂取されたたんぱく質はアミノ酸に分解されて吸収され、体内の各所で必要なたんぱく質の合成に使われます。
体内で役割を終えたたんぱく質はアミノ酸に分解されて、別のたんぱく質合成に再利用されますが、余ったアミノ酸はエネルギー源として利用され、代謝産物としてアンモニアが生成されます。アンモニアは毒性が高いので、肝臓の尿素サイクルで毒性の低い尿素に変換され、尿中に排泄されます。
乳児は腎臓の機能が未熟なので、たんぱく質摂取量が増えて尿に排泄される尿素が多くなると、負荷が大きくなってしまいます。母乳のたんぱく質が牛乳より少ない理由はこんなところにもあるようです。
さらに私たちの体内や母乳には、タウリンなどたんぱく質を構成しない「遊離アミノ酸」も存在します。遊離アミノ酸も私たちの生命維持に重要な役割を果たしています。