母乳栄養で気をつけておきたい鉄分補給

母乳栄養で気をつけておきたい鉄分補給

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鉄は赤ちゃんの発育に欠かせない栄養素

鉄は人体に必要なミネラルの一種で、赤血球のヘモグロビンに多く存在し、酸素の運搬に欠かせない成分です。鉄が不足すると、酸素の供給が十分にできない状態すなわち貧血になります。
赤ちゃんは、生まれてからたった1年で、体重は3倍、身長は1.5倍、脳の重さは2倍にも成長します。そんな急激なカラダの発育や脳などの中枢神経の発達に、鉄は欠かせません。

実は、母乳の鉄はそれほど多くない

母乳は、赤ちゃんにとって最良の栄養ですが、鉄の含有量はあまり多くありません。
正期産の赤ちゃんの場合、生後5か月ぐらいまではお母さんのおなかにいるときに生まれる前に蓄えた鉄で、必要な量をまかなうことができるので、母乳に含まれる量の鉄でも、不足することはないと考えられています。
しかし、早産や低体重などで体内に貯蔵された鉄の量が少ない赤ちゃんの場合、母乳だけでは鉄分が不足し、鉄欠乏性貧血になることがあります。もしも鉄欠乏性貧血と診断された場合には、医師の診断に従った対応が必要となります。

離乳食で鉄をプラス

鉄分含有量

正期産児でも、成長にともなって鉄の必要量が増えるので、6か月を過ぎると生まれた時に蓄えていた鉄だけでは足りなくなっていきます。「授乳・離乳の支援ガイド(2019年版)」(厚生労働省)にも、「母乳育児の場合、生後6か月の時点で、ヘモグロビン濃度が低く、鉄欠乏を生じやすいとの報告がある」と記されています。

鉄が足りなくなって貧血になると、カラダだけでなく脳の発達にも影響する可能性があります。
この時期には離乳食にも赤身の肉、魚、レバーなどを活用し、積極的に鉄を補うことを心がけましょう。納豆やほうれん草、海藻も鉄を多く含みますが、消化管で鉄の吸収を助けるビタミンCと一緒に摂るのがおススメです。

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